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2019年3月31日日曜日

保険で積立するということ

突然ですが、質問させていただきます。
AとBの2つドアがあり、どれか一つのドアを開けなればなりません。
200万円の手持ち資金があり、Aのドアを開けると3.5%の確率で400万円になりますが、
96.5%の確率で210万円となります。
Bのドアでは50%の確率で300万円以上になりますが、
46.5%は210万円以上300万未満です。
残りの3.5%は手持ち資金200万円がなくなります。

AとBのどちらを開けますか。

Aを選ぶ方は保険で資金を積み立てることに問題ない考え方をしていると思います。
一方、Bを選んだ方は保険で資金を積立することに合わない考え方をしているかもしれず、
これから保険を検討している、もしくは既にそうしている場合は一度立ち止まって考えた方が良いかもしれません。

3.5%は35歳男性が18年後の53歳までに亡くなる確率です


Aは円建て終身保険で積み立てた場合に18年後までに解約返戻金として得られるであろうという資金です。
Bは正しく資産運用しながら積み立てた場合です。
Aの保険は200万円がなくなる事はありませんので実損はないのですが、
生存する場合の96.5%においてはBの運用した方がリターンは高くなり、
得られる可能性があったリターンを得られない機会損失という状況になります。
一方、運用で積み立てる場合、亡くなるかもしれない3.5%に当たると運用どころではなくなり、
積立資金の200万円も得られない実損状態になります。

少数を見るか大多数を見るか


これはどちらの選択が正解かをお話したいわけではなく、
自分の考え方は何なのかを問うものです。
Aを選ぶ方もBを選ぶ方もそれぞれの考え方ですのでいいと思います。

しかし、覚えておいていただきたいのは大多数の96.5%において
上記の選択肢で誰が一番喜ぶのかそれはAだと資金提供者ではなく、
保険会社ないし銀行や郵便局を含む保険代理店です。

Bだと運用に関わる金融機関も利益になりますが、
実損の可能性を払っている分、一番喜ぶのは資金提供者です。

保険の仕組みは機械的に作られるものではなく、
ニーズや利害関係を考慮して人が作って人が決めた仕組みであることを理解した方が良いと思います。
掛け捨ては損であることを植え付けて保険と資産形成を一緒にした保険商品が人気ですが、
こちらも様々な仕組みがある分、販売する側は利益率が高くなります。

近年、銀行の外貨建て保険を販売する姿勢が問題視されてニュースになっていますが、
これは保険を販売するすべての関係者に対して顧客側が注意を払わなければならないニュースだと私は思います。
FPサンライズ