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2019年4月25日木曜日

一時払い変額保険は資産運用の選択肢に入るのか

余剰資金の運用で保険会社または保険代理店から変額保険を勧められて加入している、
または検討しているという方がいらっしゃるかもしれません。
運用した方が良いと思うけど元本が目減りするかもしれないという不安を
保険の機能でカバーしながら増えることも期待できる商品として
変額保険に魅力を感じる方が多いかもしれませんが、
運用を主な目的として考えている方にとってはっきり申し上げて変額保険はお勧めできません。
理由としては高い手数料を保険会社や保険代理店へ支払うことになるからです。

見えていない手数料と悪い運用効率


投資信託ではこれまで運用金額の3%を販売手数料として設定されており、
今はこれを高すぎると言われて見直され始めている状況です。
変額保険も投資信託で運用されるスキームにもかかわらず、
形は生命保険であるため手数料の開示がなされていません。
開示されていないから預けた金額すべてから運用が始まると
思っている方もいるかもしれませんがそうではなく、
手数料を引いた金額から運用をスタートします。
さらにその手数料率は5%~10%と言われており、
500万円から始めようとしても手数料が引かれて450万円から始まることになるのです。
投資で10%の利益を得ることはそう簡単な話ではなく、
さらに450万円から500万円に戻すまでに11.11%の値上がりが必要になります。
つまり運用を始める前から高い手数料を取られていると
元本以上に運用で増やすまで時間が相当かかるのです。
しかも運用期間中も保険関係費用等で2%近くになっております。
これも投資信託の信託報酬に比べてかなり高く、
つみたてNISAで金融庁が設定した基準は0.5%ですので運用効率が悪いと言わざるを得ません。
例えて申し上げると下りのエスカレーターを使って上に昇ろうといる状態です。
それでも変額保険で10%の利益を得られた経験がある方もいるかもしれません。
その場合、投資信託に直接投資していたら20%以上の利益を得られていた可能性があります。
つまり投資を目的にしている方にはかけた時間に合わない運用方法であるということです。

変額保険はあくまで保険である


それでも変額保険が有効な場合もあります。
それはあくまで保険なのでご自身が亡くなった際には
運用が悪くても投資元本で返ってくるということです。
税制上も相続税における生命保険の非課税枠にも活用できるため
高齢になった方には検討の余地はあるかと思います。
変額保険を運用商品として提案されてもあくまで保険であり、運用とは分けて考える必要があります。
まだ現役で働いている方が老後資金のためといって
長期的な資金を運用することは時間とお金を非効率に使っていることに
気づいていただきたいと思っています。

FPサンライズ

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